シリーズでお伝えしている
「ボディヴォイス」の秘密。
Vol.6 は、
【一瞬で対立をなくす方法】です。
これまでの記事はこちらからお読みいただけます。
Vol.1「スキル・ノウハウ型リーダーシップの限界」
Vol.2「自分の中のリーダーシップを育てる方法」
Vol.3「なぜ、元型を使いこなせないのか?」
Vol.4「繁栄のスイッチと成長のスイッチは同時に入る」
Vol.5「環境に依存せず自分軸を手に入れる秘訣」
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こんにちは。
思考・テクニックに頼らない!
あなたの繁栄と成長のスイッチを入れる
“ボディヴォイス”の秘密
影響力のスイッチを入れる専門家
賀集 美和です。
誰もが逃げ出したくなるような
難しい状況で抜群の成果を上げて、
周りから一目置かれる人がいます。
「あの人は特別だから」
「生まれつきの才能がある」
と言いたくなりますが、
人が能力を発揮して高い成果を出すには
メカニズムがあります。
もうお気づきと思います。
〝感性〟の使い方です。
私たちが能力を発揮する時、
以下のサイクルが回る必要があります。
==========================
〝感性〟でインプットし、
〝思考・力〟でアウトプットする
==========================
少しわかりづらいかも
しれないので補足します。
例えば、あなたが営業職なら、
お客様の本当の願いをキャッチできるから
(感性)
相手を動かす営業トークができるわけです。
(思考・力)
例えば、あなたが中間管理職なら、
会社/部下の本音をキャッチできるから
(感性)
関係者全員が喜ぶ管理ができるのです。
(思考・力)
例えば、あなたが社長なら、
時代の動きや人の心の変化をキャッチできるから
(感性)
行列のできる経営ができるわけです。
(思考・力)
ゴミを入れれば(感性)、
ゴミが出てきます(思考・力)。
感性をうまく使えなければ、
入ってくる情報(インプット)は歪んでいます。
歪んだ情報をもとにアウトプットすれば、
当然、見当違いの結果が出ます。
だから、感性が使えない人は、
言われたことを言われた通りに
やるしかありません。
言われたことを言われた通りにやるとは、
〝掛け算の九九を暗記する〟
〝初めてのおつかい〟と同じレベルです。
培ってきた能力をフルに発揮して、
高い成果を上げていきたい社会人にとって、
〝感性〟でインプットし、
〝思考・力〟でアウトプットする
サイクルを回せることは必須なのです。
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■セキュアベースの崩壊した職場
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ところが今の日本で感性を開くのは、
簡単なことではありません。
セキュアベース(心の安心基地)が
崩壊しているからです。
セキュアベースが崩壊してる
とはどういうことか、
1つ1つ確認していきましょう。
人は、安心感のない職場では、
上司や同僚に批判されることを恐れ、
能力を発揮できません。
ビクビクして不信感が生まれ、
失敗を恐れるようになります。
意見を言うと
批判の対象になるかもしれないので
できるだけ黙っています。
言われたことだけやろうとして、
そのうち絶対に叱られないことだけ
するようになります。
息を殺して1日が終わるのを待つのです。
よくあるケースは、上司が高圧的で
ビクビクして数字ばかり追いかけ、
安心感の欠片もない職場や、
不平不満が渦巻き、
マニュアルを守ることが最優先で、
自分で工夫することも
提案することも許されない職場です。
その結果、
平常心だったらできるはずの
〝思考・力〟レベルの能力さえ、
発揮できなくなっていきます。
昔の日本企業には
セキュアベースがありましたが、
残念なことに今はもうありません。
バブル崩壊後、
コスト削減を迫られた企業が、
増えつづける勤続年数の長い
年長者の人件費を抑えるため、
こぞって成果主義に切りかえました。
しかしその後、日本では
成果主義はうまく機能していません。
成果主義導入と同時に、
セキュアベースを切り捨てたからです。
そんな現状だからこそ、
セキュアベースが崩壊した現場で
リーダーシップを発揮していきたい
というニーズが、ビジネス界で高まっています。
その証拠に、NYタイムズ ベストセラーの
『セキュアベース・リーダーシップ』
(ジョージ・コーリーザー著/プレジデント社 刊)や、
『チームのことだけ、考えた。』
(青野慶久 著/ダイヤモンド社 刊)
などの書籍がヒットしました。
つまり、ビジネス界では、
==========================
セキュアベースを創っていけなければ、
高い成果なんて出せるはずがない
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ということが常識化しつつあるのです。
セキュアベースの崩壊を
ボディヴォイス的に言えば、
〝感性〟を開ける安心感がなく、
〝思考・力〟の発揮すら厳しい状況です。
今の厳しい環境から抜け出して
抜群の成果を上げ、
一目置かれる人になるには
どうしたらいいのでしょうか?
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■一瞬で対立をなくす方法
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セキュアベースの崩壊した現場で、
あなたに必要なことはたった1つ。
〝ゆるみ〟です。
「危険な職場だって言ったじゃないですか!」
「うちみたいな会社で
自分1人だけゆるむなんて無理ですよ」
わかります。
ここは誰もが陥るので、
そう思われるのは当然です。
安心感の欠片もない環境でも感性を開き、
セキュアベースを創っていけるのが
ボディヴォイスです。
考え方を変えたりノウハウを駆使しても、
(思考・力)
セキュアベースは創れません。
どれだけ誠実な想いで発言しても、
〝対立〟という名の壁に跳ね返されます。
周りやニュースを見ても、
社員同士、家族関係、業界の権力闘争、
利権争い、国家間の争い、人種差別、、、
対立だらけです。
起きるとわかっている対立を、
私たちはなぜ繰り返すのでしょうか?
一般的な対策は、こんな感じです。
「相手のことを敵ではなく味方と考えましょう」
「反応を予測し、対策を練っておきましょう」
「批判するのではなく好奇心を示しましょう」
冷静に考えればわかることですが、
これらの前提は「ゆるむことができれば」です。
上司の前でゆるむことができないから、
上司を味方だと思えず苦しいのです。
あなたが社長なら社員の前でゆるめないから、
必要以上に気をつかって消耗するのです。
「批判される」と思って緊張するから、
自分を守るために対立が生まれるのです。
心を込めて相手の話を聴いても、
責任者に「まずあなたが安心感を作れば…」
と正論を語っても、
「そうしたいのは山々ですけど、
役員から数字で詰められて大変なんです」
「じゃあ◯◯さんが役員説得してくださいよ」
「下手したら私クビじゃないですか!」
と反論された挙句、
延々と押し問答が続きます。
しかし〝ゆるみ〟があれば、
話はまったく違うものになります。
ゆるんでいれば、
対立することに恐怖・緊張は感じなくなり、
建設的な対話ができるようになります。
相手が強く出てきても、
ゆるんでいるからフワッと受け止められるし、
かわすこともできます。
自分が強く出ることが必要な場面では、
ゆるんでいるからこそ瞬発力を発揮できます。
要は、自在なのです。
だからこそ、どんな過酷な環境でも
生き抜くことができるのです。
私が以前指導していた『T.G.I FRIDAY’S』も、
同じような状態に陥っていました。
セキュアベースという概念のことは、
幹部以下みんなが当然知っていました。
でも知っているだけで、
実際に安心感のある場を創り出せる人は
ほぼいませんでした。
ところが、1ヶ所だけ、
セキュアベースのある店舗がありました。
そこには、1人の若い店長の姿がありました。
彼が創ったセキュアベースが、スタッフが
いつでも帰って来られる心の安心基地として、
自発性や挑戦する勇気を引き出していたのです。
彼はスタッフの話に耳を傾けていましたし、
本部とは密にコミュニケーションを取って、
楽しそうに質の高い提案をしてくれました。
スタッフにも、役員にも好かれていました。
業績的に必ずしも良くない、
難しい立地の店を長く任されていましたが、
スタッフが一斉に辞めてしまうなどの
致命的なトラブルのない店でした。
彼に用意されていた環境をまとめると、
以下のような厳しい職場です。
・深夜まで長時間のハードな労働環境
・売上の安定しない難しい立地の店舗
・やる気はあるが社会経験の少ないアルバイト
・自分より年長のマネージャー、料理人
体力的にキツく、いつ心が折れて
保身に走ってもおかしくない職場です。
あなたの周りにも似たような職場、
家庭、コミュニティがあるかもしれません。
それでも、なぜ彼は過酷な環境を生き抜き、
安心感を創り、チームを発展させたのか?
彼の成功の本質は、
コミュニケーション能力の高さや
ヴィジョンを語る力などではありません。
〝ゆるみ〟です。
彼に〝ゆるみ〟があったから、
自分や周りの感性を開くことができたのです。
実際、彼は替えの効かない
貴重で優秀な人材でした。
若かった店長は今、
ハワイで指折りのレストラン経営者として
アワードで表彰されるほどの
実力者になっています。
彼がどのように〝ゆるみ〟を身につけたのか、
詳しく聞いたことはありませんが、
武術の達人などは、
何10年も血の滲むような努力を重ねて、
〝ゆるみ〟を習得します。
セキュアベースのない場面でゆるむのは、
それだけ難しいことなのです。
しかし、忙しい現代人にとって、
何10年もかかる厳しい修行は
現実的ではありません。
ボディヴォイスを使えば、
生まれながらに持つ自分の声を使って、
全身の筋肉、特に奥の筋肉を
ゆるませることができます。
当然ですが、
どんな出し方でもいいわけではなく、
出し方にはコツがあります。
出し方によっては〝ゆるみ〟どころか
逆に緊張して固くなってしまうからです。
ボディヴォイスを正しく使うと、
「職場の環境が許してくれません!」
「うちは家庭環境が特殊なので無理です!」
という反論は不要になります。
修行いらずで瞬時に対立をなくし、
セキュアベースを創っていけるからです。
繰り返しになりますが、
変化のスピードが早い、
過酷な環境の現代だからこそ、
〝ゆるみ〟を身につけてください。
ゆるむと、感性が開きます。
感性が開くと、
セキュアベースができてきます。
その結果、
セキュアベースを創り出せる人は
一目置かれる存在になり、
市場価値が上がっていくのです。
次回、実際にボディヴォイスを実践した
起業家、経営者、管理職、
リーダーの声を交えながら、
どのように感性が開いて、
リーダーシップを発揮できていくのか、
理解を深めていきましょう。
では、次のメール講座(Vol.7)
でお会いしましょう!